6回 府中文化村

講演・交流会

テーマ「里山を食いものにしよう」

【2014年09月19日開催】 

それは静寂の中、突然の歌から始まった

今回はあの中央公論社新社が主催する新書大賞2014の大賞を獲得したベストセラー『里山資本主義』にも取り上げられている和田芳治さんをお招きして過疎を逆手にとること、里山を食い物にお金に頼らないこと、一家に一台エコストーブをなどなど、たくさんの貴重なお話しをしていただきました。

 

講師の和田さんは広島県庄原市総領町にお住まいで、「逆境をバネに、東京では出来ない町づくり、人生を」という営みを目標に「過疎を逆手にとる会」、現在の逆手塾の活動などから、里山暮らしをいいものにする行いをしています。この団体の応援団はなんとあの「永六輔さん」だといいます。

自身をミゲル・デ・セルバンテスの「ドン・キホーテ」と称し、里山を救いたい、日本を元気にしたいと声を大にし、志は高いが、たいした武器がないとしています。そこで里山を元気にして日本を元気にするための武器として「エコストーブ」を持ち出します。

これは暖をとったり米も炊けたりする他、燃焼率がとても高く、煙も出ないという非常にエコな代物です。和田さんは「一家に一台エコストーブを」という国民運動を巻き起こそうとしています。これは実際に被災地でも活躍したという話も聞きます。このストーブで身体も心も温かく元気にしたいというお話は非常に感動しました。

No.1になるにはそこに戦いがあり、人を蹴落として一番になるものだが、Only 1には戦いがないといいます。それは、町や自分を掘り下げることで手に入れるものであり、一度手にすると失くさないもの。例えば世界で自分だけしかできないことがあれば、それで世界一です。エコストーブ作りやこうしたお話しから、人と人の温かい関わり合いと、良い絆づくりがこの無縁社会といわれる日本を元気にし、自分たちの人生をより良いものにする気持ちが伺えました。

 

最後に暖・食・心が無縁社会の中で大切だと和田さんは言います。エコストーブで「暖」をとり、米を炊き「食」事をとり、生の火を囲み「笑」顔になるということは非常に大切なことです。寒かったら、いつもインスタントの食事やお腹がすいてたら、笑顔がなかったら元気は出ません。

府中文化村でさまざまな方と交流し、笑顔が心を温め、そしてそんな笑顔や活気が府中という町を温かくし、やがては日本を元気にすることができるように、これからも温かい会を開催していきたいと思います。

 

和田芳治さんの書籍

里山を食いものにしよう―原価0円の暮らし』阪急コミュニケーションズ 2014