第34回 府中文化村

「スポーツ選手から学ぶ

自分らしく生きる上で大切な「価値観」とは?

(2017.3.17開催)

 

価値観とは人それぞれ、だから価値観の違いから相手との重大な相違となることがある。

このような価値観とは違い、私はこういう価値を大切にしている、言い方を変えれば信条に近いそれは生きる上で重要な視点や指針という構成要素の一つであるかもしれない。

今回は株式会社NEXT MANAGEMENT Holdingsの日比野光さんを講師にお呼びし、そんな人それぞれの価値について自分の言葉で表現することによって自分らしい価値を自己認知することを目的として講演をしていただきました。

 

現代はVUCAワールド(Volatility、Uncartainty、Complexity、Ambiguity)という企業を取り巻く市場環境が「不安定」で「不確実」かつ「複雑」「曖昧模糊」であり、将来のキャリアアップなども今までは年功序列や終身雇用といった概念により先の予見ができた時代から、どんな時代になるかわからない

偶発的なことがらが多々起こり、安定という言葉が当てはまらない時代になってしまったことが、個々の価値観の重要性を高めたようです。

 

講演では、「自由」「義務」「正義」「誠実」や、「勉強」「好奇心」などのことばから、自分が今気になる言葉をチョイスしそれを中心にその言葉から連想されるイメージやフレーズをひたすら挙げていきます。

心理学や脳科学で用いられる「マインドマップ」と呼ばれる概念図のように選んだことばから想像と連想を膨らませ、波状にイメージを繋げていく作業を行うことで、自ら選んだことばに対する自分の思考が整理されていきます。

また、この作業は自分一人で行わずに別の人と二人一組になり、自分はひたすらイメージやフレーズを発言し、聞き手となる相手との会話のやりとりで自身のマインドマップを完成させることで

自分一人では発現できなかったイメージが多く連想され、効率が良くなると言います。

 

こうした作業において、自分の選んだことばを「自分自身で考え膨らませる」ことと、それを「自分の言葉で相手に表出(アウトプット)する」という二つの力を養う効果があると実感することができ、同時に今現状の精神的状況や考えも整理することができます。

 

この作業で抽出された「自分自身の価値の束」は、そのままそのことばを一言や簡単な文章としてまとめます。

この作業でその価値観を表現することができ、自分の確固とした価値観として再取得することができるのです。

こうして抽出された価値観は自分の言葉で表現された自分だけの価値観であり、それに精通するものや事象の見方それ自体となります。

 

今回参加していただいた方々は、みなさんまた別々の価値観として認識することができたようですが、実際は講演時間とグループワーク時間が進行の関係で足りない様子でした。

また、ここで作業ができたものは一人一つずつの価値観となりましたが、本来はあらゆる事柄に対する自分の価値観を探り出すことが必要となります。

今後、何かにぶつかったり何かに迷ったりしたときに今回の作業スキルを用いて自分自身の価値観でその逆境を乗り越える糸口を見つけられれば、今回の講演の本当の成功と呼べるのかもしれません。

 

この先どうなるかわからない、不安定な時代だからこそ

私たちが持つこの価値観を自己認知し、あらゆるものに自分の言葉と自分の意志で向き合うことが大切だと気付かされる講演でした。