第36回 府中文化村
ゼンタングル講座
~ペン1本で誰でも出来るリラックスアート
(2017.6.15開催)
今回の府中文化村は『ゼンタングルを描く』です。
講師として佐藤心美先生をお招きし、描き方やその手法はもちろんのこと、精神的指導をしていただきました。
みなさんはゼンタングル、この言葉を聞いたことがあるもしくは絵を観たことがあるでしょうか。
ゼンタングルとは「禅」「tangle」から生まれた言葉で、絵心がなくても簡単なパターンの組み合わせでマンダラが描けてしまうという手法です。
一度ゼンタングルの絵を観ると「自分にはこんな複雑な絵は・・」という感想でも描いてみると簡単で「すごい」という気分になります。
しかしゼンタングルの醍醐味は簡単に複雑な絵が描けることだけではありません。
それは、「禅」であることにも由来しますが、このゼンタングルは「マインドフルネス」の一種として利用されていることです。
マインドフルネスとは心を満たし、不安解消やヒーリング効果をもたらし、脳科学的にも実証されている幸福感やパフォーマンス向上に役立つ状態のことです。
古くから仏教の考え方や実践とされる禅ですが、アメリカにて心を満たすこととしてマインドフルネス(mindfulness)が広まったこの方法は
先生によるとGoogle社などの世界最大手企業などの研修にも取り入れられ、今注目の脳活性化の手法です。
冒頭に記述した「精神的指導」とはこのことで、ゼンタングルを描く最中の精神的状態や心の持ち方を工夫する方法を紐解いていただきました。
先生による軽いデッサンされたラフ画に「線を足す」「曲線を足す」「塗りつぶす」といった簡単作業ですが、
私たち日本人は「こうしなければいけない」「他のみんなと同じようにしなければならない」「間違えたらいけない」などの固定観念や精神的ストレッサーに晒されていると佐藤先生は言います。
このゼンタングルは「間違えがない」「線をはみ出してしまったなどの思わぬ結果を楽しむ」「間違えがないから他と違って全然良い」という自己肯定感を持って取り組むことが大きな意味だそうです。
実際、描き終わった後に参加者みなさんのゼンタングルを展示すると、本当に人それぞれでそれが素晴らしい作品となっていました。
また、ある固定されたお題でないからか「こうでなければならない」という固定観念を尺度としていないためか自分の作品を含めて他者の作品との違いや個性がとても面白く興味深いと感じられる経験でした。
ところで交流会当日は6月15日は一説によると空海の誕生日でこの日は不空三蔵(西遊記の三蔵法師ではない三蔵法師)が涅槃した日とのことです。
仏教のある宗派ではこれらの出来事は非常に重要な出来事であり、そんな日にゼンタングルでマインドフルネスができたことはある種ジャストタイミングだったのかもしれません。
みなさんも暇つぶしや仕事の会議中、脳が疲れたときに脳や心の健康法として是非、ゼンタングルでマンダラを描いてみてはいかがでしょうか。